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 2012年7月25日付けの記事「コミュニケーションでいつも誤解される方へ」の続編です。

 今回は、誤解され、悪く言われ、孤立してしまい、どうにもならなくなってしまうDタイプの方々への、うまく乗り切るための知恵、誤解されないための技術を全文掲載いたします。

 字義言語を使い、意思の疎通を図ろうとするDタイプは、行動言語を使って意思の疎通を図るAタイプから見て、攻撃的に見え、薄情に感じ、理解がなく反省しない人間だと思われています。

 字義言語において、真実こそすべてであり、情にほだされてはいけないという基本倫理がありますが、行動言語ではまったく逆の価値観があり、行動言語では解釈できないDタイプの言動を見たAタイプは、Dタイプの本心が理解できず、「ハッキリ言ってほしい」と詰め寄ると、Dタイプは「やはり真実こそ大事なんだな」と一層思うようになって、「ハッキリ言ってほしい」と言われたことは、真実に踏み込んでいいと許可されたと勘ちがいし、Aタイプの心情を無視した正論や伏せられていた真実、触れられたくない真実にまで踏み込んでしまい、Aタイプの心に傷をつけ、恥をかかせ、Aタイプの逆鱗に触れます。Dタイプにはなぜ怒らせてしまったのかがまったくわかりません。

 多数派Aタイプが使う行動言語をDタイプが理解し、誤解を避けるようにできれば、Aタイプに理解されるようになり、信用と信頼を勝ち取り、Dタイプの主張が受け入れられるようになって、Dタイプの今までの苦しみはもう味わわなくても済むようになります。精神的な信頼関係の中で、孤独感がなくなって、相談し合えるようになることは、いわば画期的なことなのです。

 その知恵、技術を列記いたします。

1.Dタイプが信頼関係を築くために必要な基本姿勢

「わかってもらってどうにかしてもらおう」は甘えである。自分を表現して助け合う、サポートし合う対等の関係が信頼である。

 これは、Dタイプの悪い癖を直ちにやめていただくために、まず基本姿勢として最低限守っていただくルールといたしました。
 Dタイプは空気が読めないために、自分の意思を伝えて、あとは周りの人の配慮に頼り、任せ切ってしまうという悪い癖をもつ人がとても多いです。
 そこに上下関係があれば、Dタイプはなお一層の配慮を妻や部下、目下の人間に求めます。偉くなれば当然の権利であるとさえ思いこんでいます。モラルハラスメントの大半はこのせいであると言えるでしょう。
 これは「自分ができないことは、自分の得意なことで代わりに貢献すれば、できないことを他の誰かにしてもらう権利を、自分はもてる」という思い込みによるものです。
 これを助け合いだとさえ思いこんでいます。
 Dタイプの方々、なぜ問題かわかりますか。
 自分で勝手に「相手に貢献している」あるいは「相手に喜ばれることをしている」と決めてかかり、「自分はその分、相手から配慮してもらっていい」と自分で勝手に決めつけて、相手に要求することが問題なのです。助け合いとはそういうものではありません。
 相手が助けを求めてきたものや、相手が困っていることについて、自分が力になれた場合に初めて「相手に貢献できた」となるものです。さらには「相手から配慮してもらっていい」と自分が決めることではなく、人にしてもらうことは「相手に自分からお願いすること」には変わりがなく、自分が過去に貢献することで「相手がお願いを聞いてもらう確率が上がる」というだけのことなのです。

 「なぜ自分はあれほどがんばったのに、誰も気を使ってくれないんだ……」と悩む前に、人にしてもらうことは「お願いして、快諾してくれたとき」に限定されることを忘れてはなりません。

2.行動言語で誤解されないための五ヶ条

(1) 人の気持ちを尊重する。
 Aタイプの方々にとっては、至極当たり前のことですが、Dタイプにとっては、今までAタイプに誤解され、冷たく扱われてきたと思いこんでいるため、Aタイプの要望に応えているうちに、Dタイプは自分の感情を押し殺す癖がついてしまっています。そのため「気持ちよりも用件の内容、真実のほうが大切で、AタイプはDタイプにそれを望んでいる」とさえ誤解しています。
 でも実際はまったく逆で、Dタイプの気持ちがAタイプにはわからなかったので、Dタイプが気持ちを伏せているとか、感情がないなどと誤解されて、Dタイプに対し用件のみの対応をしてしまっていただけのことで、Dタイプの気持ちがわかると、Aタイプは安心します。Dタイプは自分の感情がまったく表現されていないということに自覚がないためのトラブルです。
 Aタイプは気持ちが通じ合えば、信頼関係を築けると判断し、非常に前向きに、親切に接してくれます。Dタイプはこれを知らないのです。
 まずは感情表現を駆使して自分を表現し、相手の感情表現にも受け答えして、共感しているという信頼関係を築き上げ、それから知人から友人へ昇格し、次により親しい友人へと発展していくのです。

(2) 現状がどうであれ、どう感じたか、どうしたいかがないと、意味がわからないと言われる。
 Dタイプは基本姿勢の誤解から、事実の報告に終始して、自分はどう思ったのかがスッポリ抜けていることが多いです。たとえば、「自分は上司に仕事のことで叱られた」と友人に向かって事実を伝えただけで、自分の辛さがわかってもらえて、励ましてもらえると思いこんでいます。しかし、Aタイプは、叱られたという事実だけでは、何を言いたいのかがまったくわかりません。ドジをして叱られ、そのウッカリを笑ってほしいのか、上司が横暴な人で、ウンザリする気持ちを共感してほしいのか、それとも落ち込んでいて悲しい気持ちを励ましてほしいのか、どうにもこうにもまったくわからないのです。
 逆にAタイプの行動言語は事実よりも、気持ちだけを表現してもコミュニケーションが図れます。「上司に叱られてウンザリしたさ~」なんていうだけで、どうして叱られたかなんて関係なく、「あの上司、嫌な奴よね~」で済むのです。Dタイプは事実こそすべてと思っていますので、どうして叱られたのか、どうしたら叱られなくなるのかまで考えてしまい、真顔で返答してしまいますが、Aタイプの信頼関係では不要なことなのです。

(3) 態度や言葉づかいだけで意思表示とされてしまうので、誤解される態度や言葉づかいをやめる。
 Dタイプは事実こそすべてだと思っていますので、態度や言葉づかいに無頓着です。言葉でのみ意思表示をしていますので、無表情で「うれしい」と言えば、自分は喜んでいることを伝えたつもりです。
 しかし、Aタイプは行動言語ですから、態度や言葉づかいを中心に意思表示をしていますので、言動よりも表情のほうを本音ととらえます。Dタイプが無表情で気持ちを言葉に表しても、Aタイプには「本当は喜んでいない」「内面に不服があって、それを隠している」と解釈されます。
 この誤解は次のような点でも大きな問題を起こします。
 Dタイプは迷っているときは返事をハッキリと明言しなければ、返事を保留にできると思っていますが、Aタイプは迷っている姿を見ただけで「本当は断りたいんだな」と解釈します。態度や言葉づかいだけで即答するAタイプにとって、すべての反応が意思表示なのです。Dタイプは言葉にしなければ、意思表示をしていないと思いこんでいますので、断られたと誤解され、もう意思確認をされなくなったとき、自分が無視されたと憤慨したり、落ち込みます。ハッキリ返事をしないことで保留になると考えず、態度や言葉づかいで即答扱いになるAタイプに対し、すぐに返答できない事情をシッカリ伝え、待ってもらうようお願いすることが肝心です。

(4) 断られたものを何度も確認してはいけない。どうしてかを何度も問いかけたり、同意をしつこく求めるのは、相手に不快感を与えるので厳禁。正論もNG。自分ができていないことを、相手に求めない。
 これは相手の意思や気持ちを尊重するために、自分の価値観で相手にしつこくしてしまったり、自分もできていないことで相手を責めたりすることはしてはいけないことだと、Dタイプは知らなければなりません。
 相手がしたくないものは、どのような理由があろうと、相手がしたくないことであり、自分が納得できるまで相手を説得することは失礼なことであると、Dタイプは知らないのです。逆のパターンも同じです。自分が断りたいことは、相手の熱意があってもシッカリ断るということも大切であると知らなければなりません。
 Dタイプの大きな思いちがいとして、正しいことをすべての人が努力するべきであり、自分も努力しているから、まちがえているときは指摘されるべきだと考え、自分ができていなくても、人ができていないときに指摘してあげるべきだというものがあります。これはAタイプからみて真逆の価値観です。Aタイプの場合、自分ができていないことで、人を非難してはいけないというマナーがあります。「自分こそできていないくせに。あなたに言われたくないわ」という言葉はドラマなどでもよく見かける言動ですね。
 これらのすべては「相手の意思や気持ちを尊重する」という原則を守るためのルールであり、マナーです。

(5) 交際の深度というものがあり、入りこみ過ぎないよう気をつける。
 Dタイプは空気が読めないため、約束をし合って、守り合うことが信頼関係だと思いこんでいます。
 しかし、実際の信頼関係というものは、気持ちが通じ合って、信頼関係が築かれてから、約束を守り合おうという努力ができるようになります。信頼関係ができていないのに、約束を強要される筋合いがありません。
 Dタイプは約束を守り合うことこそ信頼関係だと勘ちがいしているのです。約束を守り合えない人は友達になれないとすら考えず、「また裏切られた」と誤解してしまうのです。
 約束を守り合う関係というのは、それだけ気配りをし合う関係ということですので、まずは気持ちが通じ合える人だというAタイプの考える信頼関係を築き、それからマナーを守ってくれる人かどうかようすを見て、より親しい友人となっていくものです。インターネットでだけ親しくなり、実際には会ったことがない人はその程度の関係であり、実際に会ったことが1~2回の人はその程度の関係であり、何度も会い、語り合った人はやっと友人と言えるでしょうか。さらに、言いづらいことまで言い合えるようになれば、本当の意味での親しい友人と言えることでしょう。
 ですから、Dタイプは「友達になろう」と約束すれば友人になれるんだという誤解はやめ、「うん、友達になってもいいよ」と言われても、親しくなっていけるか、信頼関係が築けるか、試してみてもいいよという許可がもらえただけだと知らなければなりません。現状の関係がどの程度かを踏まえて、その節度に合った振る舞いができれば、「気持ちがわかってくれる人」「マナーがある人」と思われて、信頼されるようになり、信頼関係が築かれるのです。「約束したから」といって強要し踏み込むのではなく、踏み込んでいいかどうか配慮している姿から信頼され、本当の友達になっていくことをDタイプは知らなければなりません。

3.「そうだよね~」と会話で返事するのは、同意ではなく、相づちである。

 最後に、実際にDタイプで苦労されている方に、たいへん驚かれた点をつけ加えておきます。
 Dタイプは、会話で「そうだよね~」「あるよね~」という相づちも、相手の言っていることに自分が同意している、あるいは、同意見であるという意思表示であると誤解し、同意できないことや同意見でないことには、相づちを打てなかったそうです。
 これは「相手の意思や気持ちを尊重する」という程度のもので、相手の言っていることに必ずしも同意したことにはなりません。「そういうことあるよね~。でも、こうするとうまくいくよ~」といったように、ちがう考えや意見を続けて述べてもいい訳です。しかし、Dタイプは字義言語を使うため、「そうだよね~」「あるよね~」は字義どおり同意することだと思いこんだようです。
 いちいち同意できるかどうかで、相づちを打ったり、打たなかったりしていては、Aタイプの方も話しづらいばかりか、「Dタイプの人は私のことを嫌っているんだ」と解釈してしまいます。Dタイプはそのつもりはありません。
 人の話を遮らないということもマナーですので、相づちを打ってあげることもマナーです。その上で、相手が話し終わってから、相手の言っていることの反対にならない場合に限り、提案や意見として自分の考えを伝えてもいいでしょう。相手にとって、「そういう考え方もあるか~」ってなる程度のものがいいです。反対の意見になる場合は、自分のほうが正しいことであっても、言っていいかどうかは「交際の深度」によります。信頼関係がなければ、相手の失礼になりますので言ってはなりません。

 以上、今後追加や改良点があるかも知れませんが、コミュニケーションでいつも誤解される方への知恵、技術について書かせていただきました。

 ご質問や、改善点などございましたら、お気軽にメッセージやメールでください。

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